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スカイチューブ様より発売されました『冬月茉莉 お座りVer. illustration by 深崎暮人』フィギュアレビューです。

*アダルトカテゴリーでのレビューです。18歳未満の方の閲覧はお止めください。

 


 

 
 今回ご紹介するフィギュアは、 深崎暮人先生オリジナルイラストが原案の『冬月茉莉 お座りVer. illustration by 深崎暮人』です。

 昨年に発売された『柊木 雪花』以来となる久しぶりの深崎先生原案フィギュア。しかもスカイチューブフィギュアの象徴的存在と言える冬月茉莉ちゃんのフィギュアということもあって、発売するのをとても楽しみにしていました。


 それではお付き合いの程よろしくお願いいたします。





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 正直な話、近年のスカイチューブフィギュアは特に肌の質感においていまいちパッとしない印象を強く受けていました。この冬月茉莉にしても、デコマスの時点で肌がかなり白っぽく精彩に欠けるなという印象があったので、製品版でもそれなりのものが届けば良い方だと思っていました。

 しかし、このフィギュアはそういった印象をガラッと変えてくれるほどに、肌の質感は上質なものに仕上げられています。

 特に目を引くのは人肌のように自然な風合いの肌色。濃くなり過ぎず薄くなり過ぎない絶妙なラインの肌色。そこにしっかりとした透明感も付与されており、非常に美観が良い。
 肌の表面は薄い被膜のようなもので覆われている感じで皮膚っぽさがありますし、表面の不自然な凸凹やざらつきも無いように思われます。

 肌の光の反射も美しく、光量による色味の悪化もありませんでした。

 正直、これだけ肌の質感が改良されて出てくるとは思ってもいなかったです。


 かなり嬉しい誤算。


冬月茉莉ちゃんっていうのもあるかもしれないですが、ホントしっかり仕上げてきたなと思います。


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 フィギュア各所の塗装の質感もこれまた上質に仕上げられています。

 その中でも特筆すべき点としては、髪とドレスの絶妙な色合い。

 デコマスではかなり明るく強い色味の紫色が悪目立ちをしていたのですが、製品版では艶のある落ち着いた感じの紫色に変更されています。
 その効果はてき面で、美しい肌色との調和もすこぶる良好です。

 落ち着きとしっとり感。それらが少し照れてはにかんだ表情を引き立て、過剰になり過ぎないたおやかなエロティシズムを醸造しているように感じられました。
 
 素人目に見ても分かるくらいの優れたカラーバランス。近年に見てきたフィギュアの中でもそのクオリティは抜きんでたものであり、最上級という評価を付けさせて頂いても良いかと思います。


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 ドレス表面の金刺繡も綺麗にプリントされています。布地全体にはふんだんにグラデーション塗装が施されており、それをしっかりとクリア塗装で覆っているため、その質感は極上と言えるかと思います。

 足を覆うニーハイタイツは昔ながらのプリント方式で表現されていますが、こちらの方がフィギュアとの親和性が感じられ、ベストな選択なのではないでしょうか。


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 多分ですけれども、肌色の中に少し赤色成分が混じっているような気がします。血色の良さも抜群です。


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 幾重にも連なる髪の毛の造形も素晴らしいの一言。こちらもしっかりと塗装が施されており、プラスチック感はほぼ出ていません。


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 さて、ここまでここまでこのフィギュアの素晴らしい所に言及しっぱなしでしたが、気になる点も存在しています。


 それは造形面におけるいくつかの不自然さ。


 まず一つは胸のラインが不自然であるという点。具体的に言えば、このフィギュアでは胸の始まりの点が鎖骨付近となっており、本来あるはずの胸板の存在があいまいで、角度によってはかなり違和感を感じてしまうということ。
 

 二つ目は太ももの造形の単調さ。全体的に緩やかな紡錘形で表現されており、いかにもプレーンで単調。正直に言えば長風船かと思うほどに単純な構造にしか見えず、太ももの付け根から膝に至るまでのシェイプも不足気味です。筋肉の張りや凹みといった表現に至ってはほぼ皆無といって良いと思います。

 また、お座りVer.というだけあって当然のことながら座った影響を太ももはモロに受けるはずです。
そういった点をしっかり考慮に入れて造形を行って欲しかった。

 
 以前にも何回かスカイチューブ製フィギュアの身体構造の単調さには言及したと思いますが、残念ながら今回もそれが出てしまっています。
 骨の張り出しや筋肉の表現など、アダルトフィギュアであるのならばもっとこだわりをもって造形して欲しいと思うところです。


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 ただ、前述の髪の造形もそうですが、しっかりと肌に張り付いたドレスの表現やボディラインの美しさなど、造形面における見所も確保されています。決して良くない所ばかりではありません。


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 しっかりとクリアが吹かれたB地区の艶っぽさが素晴らしい。お胸自体の形や張りなどは申し分ない出来栄えです。


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 久しぶりにフォトショを使って原画に寄せた雰囲気で撮影してみました。


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総評


評価ポイント 91+pt(ゴールド)


肌やパーツの質感・塗装の完成度 15+/15点

 

・造形の完成度:5/10点

 

・フィギュアの健全度:5/5点

・フィギュアの取り回しの良さ:4/5点 
 
*パンツパーツの接続部は一部かなり薄くなっており、同社の宇佐田 みみの時ほどでは無いかと思いますが、破損が懸念されるつくりになっています。


・表現度・雰囲気など:12/15点


コストパフォーマンス:★★★★★




 ということで、冬月茉莉 お座りVer.のご紹介でした。

 塗装・肌の質感という点では個人的には120点満点と言える素晴らしさがあったと思います。

 造形面における不満点は無視できないものがありましたが、それを差し引いても良好なクオリティは維持できており、なかなかに満足のいくフィギュアに仕上がっていたと思います。


 ここ最近はクオリティ面で後れを取っていたように思われたスカイチューブフィギュアですが、ここにきて良い物を出してきましたね。造形面が強化されれば、それこそプレミアムと言えるメーカーになるのも夢ではないと思うところです。

 次回のフィギュアも期待してお待ちしております。


それではこれにて終了とさせて頂きます。お付き合いいただきありがとうございました。