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今回ご紹介するのは、アトリエさくら様より2018年に発売された、『貸し出し妻、真由美の‘ネトラセ‘報告 敏感妻と不倫出張』です。




数々のNTR系ゲームを世に送り出していることで有名なアトリエさくら様。
今回の 貸し出し妻、真由美で初めてアトリエさくら作品をプレイしてみました。

いざやってみると、ロープライスゲーにもかかわらずシナリオや登場人物たちの設定・構成がとても素晴らしかったです。その為、このレビューでは考察中心に物語を掘り下げる形でレビューを進めていきたいと思います。

それでは、よろしければ最後までお付き合いください。


*このレビューには作品のネタバレが含まれています。



・作品紹介

この作品は、とあるきっかけで寝取られ願望に目覚めてしまった主人公が、妻である真由美にその妄想を打ち明け、ついに禁断の貸し出しプレイに発展するというインモラルアドベンチャーゲームです。

タイトルを見るに、一見寝取らせ系と思わせる今作ですが、ストーリーが進行するにしたがって単純な寝取らせ系の枠には収まらない展開を見せ始めることとなります。



★Point
そもそもこの作品は寝取らせ系なのか?


表題に貸し出し妻とあることから、ぱっと見は寝取らせ系だと思わせるこの作品。

しかし副題に不倫出張と書いてあることからも、妻が何かしらの不貞を働くというのは明白で、実際に真由美が報告してくる寝取らせ報告には、大なり小なりの嘘や秘密が織り込まれる形となっています。その為、この作品は単純な寝取らせ系とは言いがたく、NTR系の要素も多分に含んだ内容となっています。





・人物紹介

1.高坂靖友

この物語の一応の主人公であり、温和でそれなりに人への気遣いもできるが、それ以外はとりとめた美点のない平凡な男性。
数年前に電車内で痴漢に遭っていた真由美を助けたことから親密な関係性になり、結婚に至ることになります。

妻の真由美にぞっこん惚れており、スキンシップも順調なことから真由美も自分のことを愛していると信じて疑わない節が見受けられます。
真由美の秘めたる想いを聞いたことにより、自身の寝取らせ願望とwin-winになると考え寝取らせプレイを実行に移すことになるが...。


2.高坂真由美

本作のヒロインであり、気立てが良い上に可愛らしくフレンドリーな性格をした才色兼備を地で行く美人妻。年齢は28歳。自分のことをアラサーと言ってるけど、それがどうしたんだめっちゃ可愛いぞ(^ω^)

主人公に助けられた時点では男性経験が無く、主人公に一目ぼれし、主人公以外の男性経験が無いまま結婚してしまったという経緯がある。

そのゆるふわな言動からは想像できないほどの、テキパキと家事や物事をこなしていける高い実務能力を持っており、仕事の大きなプロジェクトに携われるほどの有能さを持つ。

セックスに対してはとても積極的で、主人公を困らせるほどにセックスは好き。さらにその身体は敏感で感じやすいという一面も持っている。


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また、お酒に弱く前後不覚になる上に性感まで高まってしまうという体質。その隙を突かれ、過去に飲み会のあとお持ち帰りされそうになったところを間一髪で主人公に助けられたという事件を起こす。それがきっかけとなり、他の男に抱かれたらどうなるのだろうという興味を抱くことになる。

一本の小さなろうそくの炎のようなその欲望が、夫に乞われた貸し出しプレイによって、瞬く間に燃え広がり、その身を焦がしていく。


3.新開悟

本作における真由美の貸出先となる男性。真由美の職場での上司であり、ホスト風のスラっとした体躯が魅力の超イケメン。実力主義と謳われる会社にあって、真由美より一歳年下ながら重要なポストに就くデキる男でもある。


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仕事では真由美とパートナーを組み、真由美からの仕事面での信頼も厚いが、タバコ好きでタバコが嫌いな真由美からしてみるとそれだけが玉に瑕と思われている。

その信頼関係ゆえに真由美自身から貸し出し先に指名され、新開は真由美と2人で出張する日なら応じるという条件を付けたうえで貸し出しプレイを受け入れることになるのだが...。



★Point
高坂夫婦の関係性


プロローグで見せる仲の良い様子から、一見すると夫婦仲は良好で信頼関係の構築がなされているように見受けられます。
しかし、夫婦間のやり取りや真由美の言動を良く見てみると、その良好な関係性は実は不安定な物で、確固たる関係性が構築できていないことに気づかされるのです。

まず、いかに新婚気分が抜けきらないと言っても、交際から数えて7年が経過しているにも関わらず、そのやり取りは仲の良い友達レベルと言えるほどに深みがありません。
そりゃあ夫婦なので、キスもセックスもしているし、所々でラブラブな様子も見て取れます。一方で、互いに意識的に気を使い相手の機嫌を損なわないように行動する様子からは、夫婦としての関係性が未熟であるという印象も受けてしまうのです。
文中で真由美が言う「・・・・・・なんか新婚だよね、私たちっていつも」という言葉は、今の関係性の肯定のようで、本心としてはそれ以上の関係性に進めていない不満のようにも感じられます。


さらに、真由美は口では好き・愛してるなどの言葉で愛を示していますが、では実際にどこが好きなのか?と言うところを、実は真由美は口に出していないのです。優しいねとは言われていますが、それが男性的な魅力を褒められているのかと言われればかなり微妙なところです。
プレイヤーが見てわかる真由美が主人公を好きになった具体的な理由と言うのは、冒頭の痴漢から助けられたという事実以外一切ありません。


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好きと言われる割に妻から男としての魅力を語られない主人公。真由美は夫に対して男としての魅力をそれほど感じていない可能性も高く、他の男性へのあこがれや妄想を強化させてしまった一因になったのではないでしょうか?
真由美が感じる夫への情と言うのは、どちらかと言えば友愛に近いものであるように感じられます。

そういった不安定な関係の中で提案されたのが今回の貸し出しプレイであり、そこを理解しているか否かでその先の展開の見え方がだいぶ変わってくるのではないでしょうか。



・各パートの構成

このゲームは6パートに分かれての構成となっています。
その内、貸し出しパートは4パート。その前後はプロローグと2種類のエンディングという形です。

夫視点の貸し出しパートでは、真由美が帰宅してから貸し出し報告を受けるという内容。

また、物語中の選択肢を正しく選択すると、おまけモードの2ページ目が解放され、真由美視点のエピソードが閲覧可能な仕様となっています。

貸し出しパートでは、真由美は今まで経験したことのない激しいセックスにさんざん酔いしれ、流されていくことになります。



・貸し出しパートの特徴


貸し出しパート1~2は帰宅後の口頭での報告のみで、実際に行われた内容については真由美視点のエピソードを見なければ分からない内容になっています。

3は貸し出しプレイ動画の鑑賞。4に至っては貸し出しプレイを直接見る展開となり、真由美の痴態を直接見ることで主人公は大きな衝撃を受けることになります。


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貸し出しパートでは、のっけから新開の獣のような激しいセックスに真由美が翻弄される展開となっています。


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夫にはしてあげていないことでも、新開に対しては積極的に行っている様子には脳がぐちゃぐちゃにされるような気持が沸き起こってきて大変グッド?です(笑


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お酒の力や新開の巧妙な策略も相まって、真由美は乱れに乱れ酔いしれて、本来なら裏切りと言える行為でさえ、罪悪感を感じることなく行ってしまうことになるのです。


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それはあこがれの上司との妄想通りの激しいセックスを行えたことに加えて、表面化していなかった夫婦間の信頼関係の脆弱さがモロに影響した為に起こった当然の帰結と言えるものであったかと思います。

結局のところ、真由美は貸し出し以外でも出張時はセックスをしようと言う新開の提案にさえ首を振ってしまうことになります。肉体的には完全に堕ちてしまっている状態ですが、主人公は土壇場で何とか心は離れないように真由美を繋ぎとめることには成功します。


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★Point
真由美と新開の関係性


真由美にとっての新開と言う男とは、には無い男としての魅力に溢れた理想的な男性像であったことでしょう。

年下にもかかわらず仕事ができ、自分を片腕として頼りにしてくれるバイタリティに溢れた頼もしい男。真由美自身、自分が有能な部類の人間であることは自覚しているはずですが、そんな自分より有能でしかも近しい人間。
仕事のことと言えば新開のことを話し、抱かれる相手は新開が良いと即決したところからも、真由美の新開に対する隠しきれない想いの内は明白であったように思います。
そもそも作中で真由美から語られる、仕事をやり遂げた後でお祝いし抱かれてしまうという妄想の相手役は、もはや具体的過ぎて新開しかありえないですしね。


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対して新開はと言えば、一見寝取らせプレイに理解を示し協力するように見せかけて、その実は真由美のことを本気で奪う為に策略をめぐらせています。


最初の貸し出しは偶然が重なったとはいえ、夫婦の結婚記念日前当日を指定してくる。
距離の離れた出張地でのプレイを条件とし、言葉巧みに酒を飲ませたり名前で呼ばせたり...。
極めつけは真由美にタバコの味を覚えさせ、自分色に染め上げようという意思を明確にしたところでしょうか。
このタバコはこの作品におけるキーアイテムであり、真由美の新開への精神的な依存度を示すバロメーターにもなっています。。真由美にとっての新開の欠点とはヘビースモーカーだという一点のみなのです。


行為中の会話の端々から見える新開の老獪ともいえる振る舞いは外道ともいえる行いですが、それだけ真由美が欲しいという意思の表れでもあったのでしょう。


貸し出しプレイの最後の方で新開が言う、「奥さんを抱いてあげてください」と言う言葉は、「お前にこの女を満足させることなんて出来ない」という明確な挑戦状のように感じられました。


まあ何にしても、欲にまみれ感情で動いてしまった靖友が、それらの事柄に気づくことはついぞなかったわけです(あわれ

そもそもどう考えても真由美と釣り合いの取れた男は新開の方であり、自分は幸運なめぐり合わせで真由美をゲットできたのだという事実をもっと認識するべきだったのでしょうね。



・エンディングについて

エンディングについて軽く解説いたします。


1.フランス出張寝取られエンド

最後の選択肢において出張に行かせる選択をすると分岐するエンド。

主人公視点だと出張に行った真由美を不安ながらも信じて待つという形で終了しますが、真由美視点で見ると主人公の知らないところで行われている行為の真相が明らかになります。

せっかく真由美を繋ぎとめたのに、以前の出張先よりもはるかに遠い異国の地に、2人きりで行かせればそりゃあそうなるよねっていう至極当然の結果が待ち受けています。

ついにはタバコをうまそうに吹かし、身も心も新開に完堕ちしてしまった状態の真由美。
夫からの電話を取るのも煩わしい。罪悪感という感情すらはるか彼方に追いやられてしまっています。

真由美の発言を額面通りに受け取れば靖友のもとに帰ってきそうな気もしますが、まあたぶん無理でしょうね。たとえ戻ってきたとしても、新開との不倫継続は避けられないでしょう。


ち〇ぽが届かない場所に大事な女を行かせてはダメなのである。


そして真由美ちゃんの着衣ックスは最高である。
これだけで一生モノの価値はあるぞと思わせる最高のエロかわいさ( ˘ω˘ )



2.泥酔お持ち帰りエンド

こちらは最後の選択肢で出張に行かせないを選ぶと分岐するエンド。

真由美の送別会にて、再び痛飲してしまった真由美を、過去の事件になぞらえた形で新開がお持ち帰りするというエンド。
二度あることは三度ある。靖友くん呑気に肉しばいてる場合じゃないでしょう(おろか

このエンドでは、真由美は夫では決して満足できない身体になってしまったことを悟らされるわけですが、心はまだ主人公の元にあるため、新開になびくことはありません。

最後に2人はお互いを悪い女・悪い男と言い合ってサヨナラをするわけですが、ここの意味を理解するとこの展開にも納得できるところです。

そこから4か月後、子づくりにいそしむ夫婦の姿があるわけですが、妖しく妖艶に微笑む真由美の姿に秘めたる想いを感じるところでありました。



・良い点・良くない点


①良い点
寝取らせ・寝取られを複合させたシナリオは、ロープライスとは思えないほどに完成度が高く読みごたえがある。
真由美ちゃん可愛い。可愛いが過ぎて最高。
・声優の人選も良く、真由美のイメージにピッタリ。


②良くない点
・完成度は高いが、主人公以外のキャラの感情や思惑が分かりにくいシナリオの難しさ。
・展開的に仕方ないが、エロシーンのほとんどはゴムありである。
・セックスシーンのセリフ回しの単調さ。場面場面でもう少し工夫が欲しかった。



総評

評点(最高5つ星):★★★★★


ロープライスながらもNTR系の作品としては最高峰の出来栄えを誇ると個人的には思います。
恐らくNTR好きな方々は購入していると思いますが、NTR系に興味が湧いたという方には、とっつきやすい上にヒロインが可愛いので良いのではないでしょうか。


ちなみにこの物語のキャラの人物名は、どうやら意味が込められているように思われます。
・高坂靖友:名字は特に言及できるものはないが、靖友=安らげる友
・高坂真由美:真由美はそのままとらえれば美しく実直で正直たれと言う意味に思えますが、少し深読みすると、美しい繭と捉えられるか?
・新開悟:文字通り新しい世界を開かせ悟らせる

間違っているかもしれないですが一応補足です。



それではこれにて終了とさせて頂きます。お付き合いいただきありがとうございました。

*画像引用元:FANZAGAMES様



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